風に吹かれて〜カヌー川下り(その2)
自宅裏からさらに40分ちょっと下ると、土井の堰に来る。一旦、カヌーを降りて、ロープで曳航して堰を超える。
同伴のTさんが何やら発見。写真を撮っている。アユの遡上だ。こんな流れのきつい滝のようなところを稚アユは、ピョンピョン、ジャンプして登って行く。その健気さと元気さと必死な姿に感動だ。(本当は、そんな姿まで見えないのだけれど、そう思ってしまう)(笑)
土井の堰を超え、上ノ郷(かみのごう)橋の下流の右岸に到着。ここが私たちお気に入りの河原。船でもないと来れなくて、視界から国道の自動車が消え、川の流れと風の音に包まれる場所である。
左側が上ノ郷集落。冒険家・植村直己が生まれたところ。植村さんはよくこの河原で牛の世話をしたり、遊んだりしたと聞く。ここからは、豊岡市の最高峰・蘇武岳が眺望できる。植村さんも高校時代に登ったと紹介されている。遠く山の稜線を望み、川の流れを眺め、風に吹かれる時間は、なんとも言えないのだ。
実は、もっと楽しみなことが待っている。河原のランチである。持参した水と登山用ガスコンロでお湯を沸かし、ソーセージを茹でる。缶ビール(注:もちろんノンアルコールであるが)の栓をスカッ!と開けて、グビッ!最高の時である。ヤッホーである。(^_^)/
続いて「干しキス」(「欲しキス」ではありません)。これも私たちの最近の定番。河原で食べると格別なのだ。二人で分けるので「♪あなたのキスを数えましょう〜♪」と歌うのが二人の間での流儀となっている。そして仕上げは、もちろんラーメンなのです。(これはカヌーツーリング元祖の野田知佑流)
腹ごしらえも喉ごしらえもでき、再び漕ぎだす。途中、普段通る国道から見えない、静かな個所を通過する。やたらと野鳥の声がうるさくなる。そこでTさんは望遠鏡をのぞく。Tさんは、この地域の野鳥観察の第一人者。彼が撮った写真は素晴らしい。(TAJIMANIA Sanctuary)
時はゆっくりと経ち、気がつくと川面に反射する陽は夕暮れの気配。
ゴール(豊岡市・円山大橋)まではもう少し。正面に見えるずーっと向こうの山は来日山(くるいざん)。その向こうに城崎温泉、さらにその向こうはもう日本海なのだ。夕方の円山川下流はいつも海からの風が吹く。川の流れはしだいに緩く、風はアゲンスト。ゴール手前は、力を振り絞っての黙々(
モクモク)カヌー漕ぎになる。これもいい運動なのだ、とそう思って。(本当は、帰ったらビールだぞ
!って叫んでいる)
ゴール地点で上陸して、朝に回していた別の車に積んで帰宅。全行程20km弱。
シャワー浴びて、ビール飲んで。今日は特別に反省会をしようとゆっくりと振り返る。何も反省することなどないのだが、風に吹かれた余韻を楽しまない手はない。
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