May 10, 2009

風に吹かれて〜カヌー川下り(その2)

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自宅裏からさらに40分ちょっと下ると、土井の堰に来る。一旦、カヌーを降りて、ロープで曳航して堰を超える。

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同伴のTさんが何やら発見。写真を撮っている。アユの遡上だ。こんな流れのきつい滝のようなところを稚アユは、ピョンピョン、ジャンプして登って行く。その健気さと元気さと必死な姿に感動だ。(本当は、そんな姿まで見えないのだけれど、そう思ってしまう)(笑)

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土井の堰を超え、上ノ郷(かみのごう)橋の下流の右岸に到着。ここが私たちお気に入りの河原。船でもないと来れなくて、視界から国道の自動車が消え、川の流れと風の音に包まれる場所である。

左側が上ノ郷集落。冒険家・植村直己が生まれたところ。植村さんはよくこの河原で牛の世話をしたり、遊んだりしたと聞く。ここからは、豊岡市の最高峰・蘇武岳が眺望できる。植村さんも高校時代に登ったと紹介されている。遠く山の稜線を望み、川の流れを眺め、風に吹かれる時間は、なんとも言えないのだ。

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実は、もっと楽しみなことが待っている。河原のランチである。持参した水と登山用ガスコンロでお湯を沸かし、ソーセージを茹でる。缶ビール(注:もちろんノンアルコールであるが)の栓をスカッ!と開けて、グビッ!最高の時である。ヤッホーである。(^_^)/

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続いて「干しキス」(「欲しキス」ではありません)。これも私たちの最近の定番。河原で食べると格別なのだ。二人で分けるので「♪あなたのキスを数えましょう〜♪」と歌うのが二人の間での流儀となっている。そして仕上げは、もちろんラーメンなのです。(これはカヌーツーリング元祖の野田知佑流)

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腹ごしらえも喉ごしらえもでき、再び漕ぎだす。途中、普段通る国道から見えない、静かな個所を通過する。やたらと野鳥の声がうるさくなる。そこでTさんは望遠鏡をのぞく。Tさんは、この地域の野鳥観察の第一人者。彼が撮った写真は素晴らしい。(TAJIMANIA Sanctuary)

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時はゆっくりと経ち、気がつくと川面に反射する陽は夕暮れの気配。

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ゴール(豊岡市・円山大橋)まではもう少し。正面に見えるずーっと向こうの山は来日山(くるいざん)。その向こうに城崎温泉、さらにその向こうはもう日本海なのだ。夕方の円山川下流はいつも海からの風が吹く。川の流れはしだいに緩く、風はアゲンスト。ゴール手前は、力を振り絞っての黙々(
モクモク)カヌー漕ぎになる。これもいい運動なのだ、とそう思って。(本当は、帰ったらビールだぞ
!って叫んでいる)

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ゴール地点で上陸して、朝に回していた別の車に積んで帰宅。全行程20km弱。

シャワー浴びて、ビール飲んで。今日は特別に反省会をしようとゆっくりと振り返る。何も反省することなどないのだが、風に吹かれた余韻を楽しまない手はない。

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May 09, 2009

風に吹かれて〜カヌー川下り(その1)

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新緑と春の風に誘われて、久しぶりのカヌーだ。愛車のルーフにキャリーを装着。自宅から上流へ5分ちょっとの円山川の河原がスタート地点。(養父市八鹿町宿南)カヌーするにはなんとも絶好のロケーションに住んでいるだな、と改めて実感。

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カヌーは、もう15年以上乗っている愛艇・キウイ2(kiwi 2 )なのだ。ノーメンテナンスの優れた艇だ。(ゴメン、もっと洗艇してあげないといけないのだけれど)。(^_^) 私の友人のも同じキウイ2の赤色。

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河原から漕ぎ出すと、いきなりこの風景。「あ〜、これこれ」「うーん、いいなあ」。もう言葉にならない。自然に抱かれ、自然に身を任せ、自然を感じる。カヌーの醍醐味だ。

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カヌーの相棒のTさん。水と望遠鏡とデジカメを携帯して下るのが私たちのスタイル。それにこれが楽しみのひとつなのだが、船底には昼食の食材と飲料がしっかりと積んである。メガネ流しても、食材は流されるな、である)(笑)

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左は中州。まず、船にでも乗らないと、通常では近づけない場所。そんなところをカヌーは静かに進む。まさか!と驚く、鯉、カモ、サギ。驚かしてはいけないと、こちらが気遣うほどだ。

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右岸の木々は、進美寺(しんめいじ)の南側斜面。自然の藤が満開だ。

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空には野鳥がいっぱい。サギ、カモはカヌーに気づき飛び立ち、空を舞う。あちこちからオオヨシキリ、キジ、の鳴き声も聞こえる。ミサゴ(画像)が頭上から魚を狙っている。

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瀞場(とろば)が終わり、瀬がにさしかかる。川の流れが急になり、吹き抜ける風が気持ちいい。ここで再び「うーん、ヤッホー」(山でもないのに)なのだ。

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やがて見えて来たのが、私の自宅の裏山、姫路山。今年の2月に起きた崖崩れの跡が、数字の7の字のように見える。頂上からは、毎年夏祭りの花火が打ち上げられるが、今年はどうなるのだろう?

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一つ前の画像の正面岸壁はこうなっている。玄武岩なのだ。約2万年前に神鍋山の火山が噴火して、10km下流のここまで流れてきて固まったのだ。私の自宅も溶岩の上に建っている。「地震には強い」と言うのが父の口癖だった。ここから下流約4kmぐらいが溶岩の岸壁となっている。

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出発して、30分ぐらいで私の自宅裏の河原にやって来る。小学生の頃は、夏休みはここで泳いだもんだ。

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中央の葉が生い茂っているのがケヤキ。その左に竹やぶがある。その下は、溶岩の岸壁。私が中学生の頃までこのケヤキの向こう側に、私の祖父毋の家があった。小学生の頃の思い出は、夏休みはよくお爺ちゃんの家の縁側に行った。いつも川風が吹き、まったくクーラーも扇風機もいらない。その時の、夏のそよ風の感触は今も私の身体に残っている。

父は、祖父の家の脇の岸壁に作った川へ降りる小径を通ってアユ釣りをするのが好きだった。

カヌーは、川を下るが、記憶は時を遡る。

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May 28, 2005

円山川の氾濫後  但馬学カヌー例会

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今日は但馬学研究会の5月例会。昨年台風23号で大きな被害を出した円山川をカヌーで下る。カヌーの先導役は友人のたじまもりさんと私。今日のブログの写真はたじまもりさんの画像を使用させていただいた。さすがに迫力ある画像だ。

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大きな被害が出た日高町赤碕地区(右側)と浅倉地区(左側)を下るシーン。今年の台風シーズンまでに堤防のかさ上げに急ピッチで進む防災工事。これから10年間で900億円の予算が執行される。

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私のカヌー仲間の間では”すのーべる淵”と勝手に呼んでいる河原。それは私の自宅の裏側だから。小学校の頃はここが夏休みの水泳場所だった。昼食を済ませてゴールを目指して再出発。正面に見えるのが日高町商工会館。30年前は町役場であった建物。右山裾のゴミを見ると昨年の洪水の水位が判る。

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横一列になっての記念のショット。今日は但馬学以外に地元と大阪より”リバーダスト”と言うカヌークラブのメンバーも参加。川のゴミを拾いながら川くだりをするそうだ。脱帽。m(_ _)m向こうに見えるのが鶴岡橋。建設後おそらく60年以上経っている橋。幾度かの台風で老朽化し、今年か来年には取り壊されることが決まっている。アーチもなく自然に溶け込んでいる美しい橋がまた一つ消えていく。

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そしてゴールに到着。初めてカヌーをする人が6人いた。川面から見る新鮮な景色スローな時間の流れ間近に感じる川の水、臭い、感触。「感動!」の言葉が飛び交う。最初はパドルを漕ぐのに精一杯だったメンバーも、ゴールに到達した達成感と川の体験を名残惜しんだ。さわやかな風が吹き抜けた。

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May 05, 2005

川からの風景 カヌー(日高~豊岡)

050505_canoe-1スタート地点は自宅裏の河原。日高町江原から豊岡市今森まで約12kmを下る。メンバーは友人たちと総勢7人。事前に2台の車をゴール地点に移動し、昼の食材を買出し。準備に2時間。やっと出発だ。

050505_canoe-2昨年の台風23号でえぐられた河原。この堤防の向こうに自宅がある。今後の防災計画に注目だ。

050505_canoe-3円山川から見た日高町商工会館。この建物の窓から見る円山川の景色は美しい。必見である。23号ではこの天然の堤防(神鍋溶岩)の上に建った人口の堤防をもうすぐ越すところまで増水した。

050505_canoe-4日高から出石に向かう国道に架かった鶴岡橋。私が幼稚園の頃、父に自転車の乗り方を教わったのがこの橋の上。道の大部分は、当時、砂利道であったから、身近な舗装された場所だったのだろう。

050505_canoe-523号でやられた鶴岡橋下流の堤防。頑強に見えるコンクリートの防波堤も、自然のエネルギーには太刀打ちできない。

050505_canoe-6通り過ぎてから振り返って見た上ノ郷橋。私の大好きな景色。左手は冒険家・植村直己さんが生まれ育った集落。正面は日高町最高峰の蘇武岳。右寄りに大岡山が見える。

050505_canoe-7豊岡中郷右岸の堤防工事。クレーンが天を突く。この10年間で円山川改修工事に900億円が投入される。

050505_canoe-8円山川(右側)と出石川(左側)の合流点。川の流れはゆっくりとなり、カヌーをしている我々にはアゲンストの風が強くなってくる。

050505_canoe-9いよいよゴール間近。国道312号から豊岡中心部に入る交差点の信号。川を下るカヌーのスピードと堤防の上を行きかう車のそれとの対比は、とても面白い。

050505_canoe-10キウィ2(二人乗り)が2艇。そしてサイクロン、トーネード、ダンサーの一人乗りが3艇。すべての艇が無事に豊岡市今森の河原に到着する。近くでオオヨシキリが騒がしく啼く。なぜかスズメが群をなして私たちを囲む。今日もいっぱい野鳥が観察できた。

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April 09, 2005

カヌーの季節だ!

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快晴、春の風、サクラ。カラシナの黄色も春を彩る。こんな素晴らしい日が今年の「カヌー始め」となりました。下るのは兵庫県北部を流れる一級河川「円山川」。昨年の台風23号で大きな被害をもたらした川。今日のコースは、養父市八鹿町上小田橋から豊岡市日高町江原。(自宅裏)

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いつものカヌー仲間の2人と川を下る。「いいね~」「いいね~」の連発である。身体全体から嬉しさがこみ上げている。

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雪解け水で水量がたっぷり。まだまだ水は冷たい。流れに乗って受ける春の風は心地よい。山に咲く白い花はタムシバ。あちこちにサクラも咲いている。カヌーのもう一つの楽しみは、たくさんの野鳥に出会えること。私はミサゴを初めて観察した。他にアオサギ、ダイサギ、コガモ、ヒドリガモ、カワアイサ、カイツブリ、カワウ、ウグイス、メジロ、カワラヒワ、トビ、ツバメ、ノビタキ。仲間の一人は、但馬の野鳥観察の第一人者である。

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正面の山は進美寺山(しんめいじやま)。そのふもとの集落やこの画像の流域は、昨年の台風23号で大きな被害を受けた。今日の川の状態からはとても信じられない。今年のリバー・ツーリングは、川がもたらす恵みと脅威の両面を観察しながら、但馬の川を下ることにしよう。

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