December 01, 2013

『アニマル黙示録』宮崎学写真集

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絶版だと聞いていたので探すこともずっとあきらめていた写真集が手に入った。自然界の報道写真家・宮崎学氏が1995年にリリースした『アニマル黙示録』。もうワクワクして興奮がおさまりません。

gakuさん(そう呼ばせていただいている)とは、まだつい先日の但馬コネクションでお越しいただいたところだ。

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文明社会と野生動物の関係を鋭い観察で撮り続けるgakuさん。その写真がえぐり出す現実は、決して蓋をして見過ごしていくことはできない。ここから未来を考えていかないといけない、とgakuさんが迫って来る。

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20年経っても、写真が伝えているものは色あせない。やはり私にとってgakuさんの原点はこの「アニマル黙示録」なのだと再認識。凄いです。

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March 22, 2013

『フレームワーク思考法』~すべてのマーケティングは笑顔のために

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私自身も日々、業務の中でフレームワークを使っていますが、使えば使うほどこれまで自分が気づかなかった新しい視点が見えてきたり、クライアントとの戦略ミーティングの中でも、画期的な施策が生まれたりしています。まさに噛めば噛むほど味が出るのもフレームワークの魅力のひとつだと確信しています。
『フレームワーク思考法』 高橋健三・著  (p157 「おわりに」より)

私は著者が指摘している3つの活用ポイントに注目しました。著者の経験がここに現れていると思います。

1つ目は『早く使うこと』、早い段階で事実を整理する大切さ。

2つ目は『連結させること』、一連の流れの中でフレームワークを連結させると論理展開がスムーズになり、説得力が格段に増す。

3つ目は『開発すること』、自分自身のオリジナルフレームを生み出すと新しいアイデアがでる可能性が高まる。

まさに、著者が(おそらく)フレームワークを駆使して書き上げたとてもわかり易く、すぐに使えるように配慮された本です。

著者の高橋健三氏とは旧知の中。出会いはグロービス代表の堀義人氏 (帯の写真)のクラスで学んだ人が高野山に集結して行なった課外授業で。そこから「あすか会議」が始まり、やがてG1サミット へと発展していく。

著者・高橋健三氏((株)スマイルマーケティング代表 )は、マーケティングのプロ。一昨年には、私のビジネスである「NAKATA HANGER」を題材にしてマーケティングのセミナーを共同で開催しました。(「オーバースペックモノづくり教室」 )「まな板の鯉」の気持ちでしたが、高橋健三氏の様々な発言、アドバイス、アイデアから多くのことを学び、その後のNAKATA HANGERのビジネスに大きく役に立っています。

高橋健三氏は、みずから「なにわのマーケティングコーチ」として名乗り、企業向けだけでなく、地域の活性化にも積極的に取り組んでおられる。「大阪国」に行かれる時は、ぜひアポなど申し入れてみてはいかがでしょう。きっと笑顔(スマイル)で迎えていただけると思います。

著者が提唱する「すべてのマーケティングは笑顔のために」は、素晴らしいコピーであり、コンセプトであり、高橋氏自身でもあります。

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February 20, 2013

「一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服」

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一昨日、本が速達メール便で本が届いた。アマゾンではないし何だろうと封を切るとこの本でありました。

人はその制服どおりの人間になる。
(ナポレオン・ボナパルト)
と言う言葉がありますが、制服を服装と置き換えてもいいでしょう。あなたの人生は、あなたの着ている、その服で決まるのです。
妥協した服で毎日過ごせば、人生そのものに妥協が生じる。
『一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服』 政近準子・著(プロローグより)

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ファッションレスキューの政近準子さんは「書」もされているということなので、著者自らサインして送っていただいたようです。(ありがとうございます。)

さっそく、読んで見ました。

価格とクオリティのバランスの取り方、ビジネスとカジュアルのスタイルの違い、衣類のメンテナンスなど、いまさら聞けない、聞かない、特別な関心のない、ことに実はとても重要なことがいっぱい含まれていてて、今更ながらに大いに納得することばかり。

『装うことは生きること』には同感である。

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著書の中で、『おすすめのハンガー』NAKATA HANGER(ナカタハンガー)を紹介していただいています。(p144)

私達の「ハンガーは洋服が帰る場所」と言うメッセージにも呼応しています。

ファッションに興味ある男子も、それほどそうでない男子も、一読をお薦めします。今のご自分の装いから、これからの人生を思い描いてみるのも楽しいものです。

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February 14, 2013

『近現代における茶の湯家元の研究』 廣田吉崇・著

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第二次世界大戦後の高度経済成長期は家元の”飛躍期”であり、その時期に形成された家元のあり方を現代家元システムと呼ぶこととした。しかし、この段階はもはや過去のものとなりつつあるといえる。
高度経済成長期につくられた巨大な家元システムは、当然に膨大な門弟層の存在を前提とするものである。今後の日本社会の人口減少にくわえて、その門弟層が減少傾向にある今日、巨大な家元システムを維持し続けることはできるのであろうか。本研究において論じた現代家元システムのあり方は、すでに変化を余儀なくされているのではないかと考える。
『近現代における茶の湯家元の研究』 廣田吉崇・著
(終章・まとめと課題p393)より

私にとって、その伝統と奥の深さによりハードルの高いテーマの本ではあったが、読みはじめると、面白く一気に読んでしまいました。

私は茶道の稽古を始めて4年の年月しか経たず、現在もお点前の手順を覚えるのに精一杯の域をでないのが実態。「家元制度ってなんだろう?」「いつ頃から始まったのだろう?」「いろんな流派があるが、その誕生の過程は?」「流派により点前が微妙に異なるのはなぜなのか?」など素朴な疑問の赴くまま読み始めたが、見事にそれに応えてくれたのがこの書籍。少しでも茶の湯に興味のある方であれば、どなたにもお薦めしたい。

取り扱われているテーマを、目次から簡単にご紹介しておきます。

第序章 茶の湯の歴史における家元の存在
第1章 家元と天皇との距離
第2章 明治前期の喫茶文化の状況
     「貴紳の茶の湯」と「流儀の茶の湯」
第3章 創られる家元
第4章 第二時世界大戦後における茶の湯イメージの転換
第5章 千宗旦の出自をめぐる「利休血脈戦争」
終章 まとめと課題

実は、著者の廣田吉崇さんとは、昨年6月に『雲南省茶馬古道を行く~麗江・シャングリラの旅』をご一緒させていただいた。その関係もあって昨年暮れには、ご自宅にお招きいただき、廣田さんご自身による鎮信流のお点前でお茶を一服いただきました。流儀が異なるとこうもお点前も違うのかととても興味深い体験と美味しいお茶の時を過ごしました。

著者自らが「この論文の内容は、近い過去に関するものであることから執筆にためらいがなかったわけではない」(p402)と打ち明けていらっしゃるように、とても繊細な(微妙な)事柄も書かれている。豊富な資料・書籍、聴き取りを元に、誠実に論理的に著そうとする姿勢と何と言ってもお茶を愛する廣田さんのお気持ちが随所に感じられます。

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September 15, 2012

『異端力のススメ』~島地勝彦

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『異端力のススメ ~ 破天荒でセクシーな凄いこいつら』

島地勝彦氏との出会いは、伊勢丹メンズ館8F〈サロン・ド・シマジ〉オープンに駆けつけた3日前。その日は同じフロアのNAKATA HANGERコーナーも移動したのでそのチェックを兼ねての訪問だが、実は島地さんにお会いできるのではとワクワクして出向いた。

フロアの課長から紹介していただいて名刺交換。その後サロン内にあるバーで歓談。島地氏はいきなり立派な額に入った毛筆の書を指さして「これ、今東光の墓碑に捧げた柴田錬三郎さん直筆のものだよ」とおっしゃる。

「えっ、今東光?私の母校の先輩、当時は豊岡中学でした」と私はとっさに反応。「豊中」卒の父と伯父から今東光さんの悪ガキぶりは聞いていた。

「そうだよ、関西学院を退学させられ豊岡中学へ、それも退学させられたんだ」とさらに突っ込んだ解説が続く。島地さんから発せられた「トヨオカ」の言葉が私の心にやけに嬉しく刺さる。

さらにさらに、その横には今東光・筆の『遊戯三昧』の書が額縁に収められている。

島地氏に薦められた『異端力のススメ』を読む前の私にはその書が何なのかよく理解できていなかった。が、読了した今、今東光氏がシマジ氏に送った言葉であることがわかった。

今東光氏は「この意味がわかったら、きっとお前は人生の素敵な勝者になれるぞ」と島地氏に伝えたという。(私もしっかり噛み締めてみよう)

著書では9名の「怪物」が登場する。

今東光、坪内寿夫、小室直樹、開高健、宮武外骨、レオナール・フジタ、白洲次郎と薩摩次郎八、南方熊楠

名は知れどもその人物像は??(どのみなさんも凄すぎる!!)

著書帯には、

『伝説の編集者が明かす仰天交友録&トンデモ人物伝。』
『怪物としか称しようのない人間たちと、編集者シマジの、格闘及び交遊の記録である」-北方謙三』

しかし果たしてこのシマジ氏のススメにのっていいものかどうか。。。

いや、のってもいいんだよ!!だってこんな「怪物たち」には逆立ちしてもなれないのだから。

男子必読の書である。

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July 30, 2012

『音楽未来通信』 三宅榛名

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まさかこの本の感想をブログに書くなんて!と自分で勝手に驚いている。

購入してから20年以上は経っている。後ろのページで確認しても「二版1990年」だから間違いない。ちなみに「初版1984年」となっているから相当古い。当時少し読みかけて本棚に紛れ込んだんだろう。最近、クラシックやジャズの歴史を再学習しようと本棚をゴソゴソしていて再び手にした。

残念ながら三宅榛名さんのライブは聴いたことはないが、CDや本でずっと気になる音楽家として私の中に存在している。申し遅れましたが三宅榛名さんは作曲家、ピアニスト。

この本は当時あちこちの雑誌に書いたエッセイ集。山下洋輔さんと共演した前後の山下洋輔研究ノート。ビートルズや坂本龍一さんへのコメントなどめちゃめちゃ面白い。極め付けはサックスの坂田明さんとの対談。モーツアルトがチャーリー・パーカーならベートーヴェンはコルトレーン。モーツアルトとベートーヴェンならどっちとお付き合いしたい?隣に住むならモーツアルト。みたいな一見たわいもない会話が続くのだが、本質を突いていて面白い。

何で20年経ってこの本読んでるのか自分でもわからないが、古い本引っ張り出して読むのもいいもんだ。

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February 26, 2012

「スピーチの教科書」〜感動をつくる7つのプロセス

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言葉の力は偉大です。嬉しいときにかけられた一言が、嬉しさを何倍にもしてくれます。悲しいときにかけられた一言は、悲しみを半分にしてくれます。
夢と希望が持てないとき、目の前の出来事は大きなジグソーパズルの一片であり、それがあるからこそより大きな全体像が完成する、ということを教えてくれるのも言葉です。
『スピーチの教科書』 佐々木繁範・著
(スピーチライターの仕事p222より)

著者はスティーブ・ジョブズが行なった2005年6月、スタンフォード大学での卒業祝賀スピーチを事例としながら、スピーチづくりのコツを説く。ジョブズの15分のスピーチのどこに人々が感動したのか?ジョブズはスピーチにどのように臨んだのか?

スピーチの構造をオープニング、ボディ(根幹)、クロージングに分け、その準備の要点を分かりやすく解説。準備をしっかりとした上で、最後は聴衆と心が通い合うことが大切であると説く。

著者の佐々木さんとは昨年の「オーバースペックモノづくり教室(東京)」(六本木ヒルズにて)に参加いただき面識を得ました。その後facebookでマーケティングの見地からアドバイスを頂いたりしました。

私もスピーチをする機会が多いが、「果たして聴き手と心が通っていたのか」「スピーチの目的がきちんと達成できたのかどうか」。この著書からちょっと立ち止まって振り返るいい機会を得たと思う。と同時に次のスピーチにはしっかりと生かしたいと内心、「次」が楽しみにも思いました。


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February 20, 2012

「モノづくり原論」~君の心を熱くする24の物語

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ただし、いいものを作れば売れるという時代は終わった。これからは、使う人に感動を与えるモノを作るだけでなく、いい売り方をしてお客に届けることも、モノづくり企業に求められている。
『モノづくり原論』 
常盤文克/片平秀貴/古川一郎 ・ 著

至極当たり前のことがテーマなんですが、みんな分かっているよ、と言いつつ意外と「いいモノ作っている」事への過信に気づかないでいることが多い。

手作りだ、手間暇かけている、材料を厳選している、、とついつい作り手の自己満足に陥っている事に気づく事が大切だと常々自分に言い聞かせている。 この著書は顧客満足が大切である事をシンプルに説いている。「これが好きだ」「幸せな気持ちになる」こんな付加価値を提供したいものだ。こんなことを気づかせてくれるとても分かりやすい本です。

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February 13, 2012

「茶道に憧れる」〜岡本浩一

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ロックミュージシャンはいつもニコニコして楽しそうに演奏しているから、刻苦勉励と言う印象が薄いが、陰には、古典音楽家に劣らぬほど難度の高い技能と規則的な鍛錬、そして、本番への臨界点を超す集中力がある。刻苦勉励が陰に閉じ込められているのである。
茶の湯の点前は、茶室を舞台にし、所作を客の鑑賞に供する行為である。ひとつの薄茶点前だけでも、音楽の楽曲にすれば数曲分の時間をとる。楽曲数曲の熟達に相当する鍛錬を、日頃稽古にあて、その日の準備にあたるのが真面目な態度であろう。
『茶道に憧れる』 岡本浩一・著
 (第七章 秘匿の空間より p173)

ロックと茶道。こんな視点で語れる方が他にあるだろうか。著者はちょうど同じ世代。かつてロックに夢中になり、そして茶道との結びつきにおいてこの感覚を持てるのは凄い。私は茶道3年のお点前の手順に精一杯なのだが、こう言うくだりを読むと嬉しくなり、益々茶道に「憧れる」。

さらに著者は

「難度の高い点前が平常心でできる状態になっていて初めて「草」が「草」であり得る余裕が生まれる」

「茶事の2週間くらい前までは稽古を繰り返し臨界点を超える。そして残り2週間を切ったら別の点前の稽古はしてもその日の点前は一切しない。すると当日の点前が新鮮で自然な微笑みが漂流する。ロックなどの経験から教えられた本番の方法論である。」

とも。

なんとも私を茶道に引き込む、こんな示唆にとんだ魅力的な表現はほかにあるだろうかと思ってしまう。どこまでやれるか分からないけど、私になりに茶道を学んでみたいと思う。

以前にご紹介した『茶道を深める』もご覧下さい。

 

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February 12, 2012

『なぜ「これ」は健康にいいのか?』〜副交感神経の話

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実際、一流といわれる人たちの言動を見ていると、それが自律神経に影響を与えると知っているかどうかは別として、結果的に副交感神経を上げることを数多く行なっていることが分かります。 私はこれまで数多くの人の自律神経のバランスを調べてきましたが、自律神経のバランスのいい人は、見た目も体の中も実年齢より「若い」といえます。
『なぜ「これ」は健康にいいのか?』 小林弘幸・著
(すべては「これ」で説明できる p28)

著者は「自律神経は能と同じくらいだ大切」だとも言っている。そして自律神経はアクセル役の交感神経とブレーキ役の副交感神経で成り立っている。そしてそのバランスが大事であると説いている。とりわけ副交感神経の大切さを強調している。

日々の暮らしで30分の余裕を持つこと、睡眠をたっぷりと取る、朝一番にコップ一杯の水を飲む、お酒を飲む時は同僚の水を一緒に飲む、などなどヒントがいっぱい。

また、1日3回の食事、運動は朝?夜?、深い呼吸が大切、運動前の間違ったストレッチなど、何気なく行なっている日常の生活習慣にハッとする気づきを与えてくれる。

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