家の前の散髪屋さん
私の自宅の前の散髪屋さんの入り口のガラス戸。先日から貼り出してあった一枚の張り紙が気になっていた。
私が生まれる前から今までずーっとあった散髪屋さん。学生時代や社会人になって田舎を離れている時にもずーっとあった散髪屋さん。あるのが当たり前の散髪屋さん。それが幕を閉じられると思うと何処か締め付けられる思いがする。不思議な気持ち。
「明治、大正、昭和、平成」と書いてある。
そう言えば私が小さい頃に見ていた記憶にうっすらとあるおじいさんがきっと明治に始められた初代だろう。そして、私が生まれてから中学生の頃までずっと散髪してもらっていたおじさんがこの方。
張り紙に書いてあるように92才。でも私からみると、私が小学生の頃に覚えているおじさんは今のおじさんとほとんど変わらない。これもまた不思議な気持ち。
おじさんはとても器用。張り紙を書かれたのもおじさんだろう。むかしむかし私が小さい頃、蚕さんの繭(かいこのまゆ)に武士の絵を書いてそれをお人形さんに見たてて並べ「大名行列」を作っていた。今もどこかにあるのだろうか?手先の器用な仕事といえば私にとっては今でも一番に思い出すのはそれ。強烈な印象が残っている。
いつも穏やかにたくさんの家族に囲まれて過ごされてきたおじさん。散髪屋さんをやめられてもきっと器用な手先を活かしてなんかちっちゃなもの作られるんだろうな〜。これからもお元気でいてください。
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