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July 15, 2012

茶馬古道をいく〜普洱(プーアール)編(1)

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香格里拉空港を飛び立ち南へ1時間で雲南省の最南の地「西双版納」(しーさんぱんな)に着く。眼下に見えるのはゴムの木の植林。この地の現在の最大の収入源はゴムの原料。

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熱帯エリアである。が高地ゆえ空気は乾燥していて気持ちよい。

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西双版納空港からバスで東へ約2時間。基諾族(きの族)の集落へ。基諾族全体で約2万人の少数民族である。

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ここの集落ではおそらくすべての住民がお茶の仕事に関わっているのだろう。

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摘んできたての茶を干すひと。

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しばらく干したまだあおいままの茶葉を煎る。

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基諾族の集落裏にある斜面が古茶樹園。数百年から1000年近い樹齢の茶樹が散在する。画像の茶樹でも200から300年経っていると言う。茶樹は成長が遅い。

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現地ガイドの陳さんから説明を聞く。茶樹は南向きの斜面で、ところどころに大きい樹木が木陰を作ってくれる場所が良い。

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古茶樹園から降りて来ると今度は基諾族の切さんの家で民族に伝わるお茶をいただく。

「焼き茶」。文字通り生の茶葉をバナナの葉のような大きな葉で包み焚き火の中に入れて焼く。

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焼き上がった茶。外は焦げているが中身はほんわかと。

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焼き上がった茶を湧かしかけのお湯の入った竹の筒に放り込む。しばらくして沸騰し、中のお湯が茶葉もろとも飛び出してくるようになると出来上がり。

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黄色の茶はいつも飲んでいる日本のお茶と変わらない色。飲んでみると少し焦げの味がして香ばしい。素直な味でとても飲みやすい。ご主人の切さんは焼き茶が大好物だとのこと。

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今度は「涼拌茶」(りょうばんちゃ)。生の茶葉、オレンジの葉、ニンニク、唐辛子、ハッカク、ジャンサイ、塩を準備する。

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それを二つ割りにした竹の筒に入れ、こん棒で叩いたり摺ったりしてすりつぶしていく。そして常温のお水を入れる。

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15分ほど待つとできあがり。竹で作った柄杓のようなものですくって茶碗にいれる。きつい農作業などした後に飲むと元気になると言う。ニンニクの味が強いが全体として爽快感もあって、これはいけてる味でした。

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基諾族の集落をあとにしてバスで北へ2時間。プーアール市へ高速道路で向かう。途中のインターで降りて「大渡崗茶樹園」に立ち寄る。2000ヘクタールの見渡す限りの茶樹園。毛沢東の文化大革命時代に農園から茶樹園に切り替えたそうだ。

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少数民族の集落などの古くからの古茶樹園に対して近代に作られたのを新茶樹園。古茶樹の茶は新茶樹の茶の5〜6倍の価格で取引されるそうだ。

高価な茶の条件は、1.古い茶樹、2.有名な茶の産地、3.原料(摘む時期と摘み方/1芯2葉)、4.良い製茶会社の4つの条件が揃っていることだそうだ。ただ、高価=美味しいかどうかは、どうもそうでもないようだ。「美味しい」ってのも主観ですもんね。

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夕刻、プーアール市に到着しホテルにチェックイン。その夜は、プーアール市在住の黄桂枢先生とご一緒の晩餐会。黄先生は中国国際茶文化研究会顧問などたくさんのお茶に関する団体の肩書きを持つ茶文化の第一人者。

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こちらの旅の代表は谷晃先生(茶の湯文化学会会長/野村美術館学芸部長)。お二人は18年ぶりの再会。谷先生が茶文化のルーツを探るきっかけになったのがこの黄さんと雲南省の茶樹調査をされたことだそうだ。

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