« "Best hanger's for the best clothes"~Pen+に掲載 | Main | 大雪の再スタート〜何の関係もないけれど... »

November 27, 2011

「京都サロン」に参加

1125_kyotosalon1

この秋、場所は京都。それは特別な1日でした。

「特別な」とは、スペシャルなゲストの方達とお会いできるだけでなく、もともと3月に企画していたサロンがその開催の前日3月11日に東日本大震災に見舞われ、この秋に延期されたことでもあります。

テーマは「アートは生きるために必要か?」と言う高尚なもの。平たく言うと日本文化再考、大震災復興も含めてこれからの日本が必要とする日本の伝統と文化とは何か?と言うこと。(これでも難しいテーマですが)

メンバーはスペシャルゲスト5人とインターネット上で試験をパスした4組のペア。3月から10月に7ヶ月も延期になったのに春の企画と全員同じメンバーが集まった。

1125_kyotosalon2

それは午後、「大西清右衛門美術館」に集合するところから始まった。京都・三条釜座で400年続く釜師大西家。「千家十職」として三千家の御用を務める。

いきなり当代16代目の清右衛門さんのお点前でお茶をいただく。会の始まりでもあり、お互いに初対面でもあるので緊張。夜にお世話になる京都吉兆の徳岡さんが場を和ませてくれる。後で分かったが、清右衛門さんと徳岡さんは小学校以来の幼なじみだそうだ。

1125_kyotosalon3

私としては2度目の「大西清右衛門美術館」だが、当代の清右衛門さんに説明をしていただくのはまた格別である。

1125_kyotosalon4

その後、なんと清右衛門が実際に釜を作っている作業場を見学させていただく。

1125_kyotosalon5

お釜の拝見の後、タクシーに分乗して嵐山の「京都吉兆」に移動。そしていよいよ三代目総料理長の徳岡邦夫さんの登場である。大西さんところでは一緒にお茶を頂いたが、ここからば徳岡さんが主役。とても陽気で気さくな方でびっくり。

今回のサロンには、徳岡さんのお声掛けで成毛眞(元・マイクロソフト日本法人社長)さんも参加。吉兆では隣り合わせで成毛さんの蘊蓄をお聞きしながらいただく。右の隣りの隣りには、もう一人のサロン呼びかけ人の星野佳路(星野リゾート代表)さんが。

1125_kyotosalon6

食事を頂く前に「吉兆の出汁の取り方」の特別講義&実演。まさにスペシャルなのだ。

北海道・利尻の礼文島にある香深漁港でとれる昆布を使う。何グラム、温度は?と説明が続き、最後にサッと枕崎の鰹ぶしを入れる。出汁だけをいただくが、これが何ともいえず美味しい。もうすでに吉兆のお料理がここにある。

1125_kyotosalon7

これは特別中の特別!!たぶんメニューにはなかったはず。べ〜り〜スペシャルなのです。その大きさを示すのに隣りにiPhoneを並べて撮った写真もあるけど、あまりにもそれはオギョウギワルイのでは、とこちらの画像。(笑)

1125_kyotosalon8

そして懐石料理が次から次と。当然ながら楽茶碗など立派な器の数々、上品な盛りつけ、厳選された食材、私が説明しようもないお料理が並ぶ。ここで「美味しい」と言っても何の感想にも説明にもならない。では何と??「幸せ〜」と言うしかない。

1125_kyotosalon9

例えばこの刺身。

京都吉兆なんだから材料も、調理も、器も、盛りつけも最高の物と言うことは言われなくても百も承知。で、食べる。。。。なんとその想定、想像をも遥かに超えている。私はこれ以上の表現を知らない。こんな経験は初めてと言っていいかもしれない。

最後は徳岡さんの奥様とも親しくお話ししながらデザートへと進んで行った。

1125_kyotosalon10

大満足して京都吉兆を後に。次は渡月橋たもとから屋形船に乗って桂川をさかのぼる。月光がほんのりと空を照らす。

1125_kyotosalon11

夜の闇の中をゆっくりと進む屋形船。ここまでくれば初対面だったメンバーは、お互いに打ち解ける。

1125_kyotosalon12

渡月橋を出発してどれぐらいだろう?おそらく10分ぐらいだろうか?幽玄の世界に時間感覚がなくなる。船着き場に着くと「星のや」のサインが目に入る。スタッフの方が出迎えてくれて荷物を持って岸から石段を少し上って「星のや」の部屋に。

1125_kyotosalon13

ここからは遅れて到着された茂木健一郎さん(能科学者)も加わり、いよいよメイン中のメインである「交流討論会」が始まる。

畳の間に一同車座になって座る。意見交換は吉兆の徳岡さんの音頭で進んでいく。自己紹介をかねながら自分とアート、日本文化に対する思いを語る。

徳岡さんのバブル崩壊後のお客様の変化、大西さんの釜づくりの苦労、星野さんの日本文化の取り込み姿勢、など個々の体験談、意見などを聞く。

茂木さんと成毛さんは今回のテーマにどう切り込んで行けばよいのか、その視点は?との意見が出される。ただ多士済々、お互いにバックグラウンドが異なるので最初から議論伯仲とは行かなかったが、私にとってはとても刺激的な議論が深夜までつづいた。

後半で私は『「1200年の都・京都で考える京都サロン」をモデルにして「鄙で考える豊岡サロン」もやってみたい』と発言。

徳岡さんから京都サロンの継続の提案があり、一同賛同して第1回目が終了した。

1125_kyotosalon14

朝日が当たる「京都星のや」。元々豪商の別邸として300年、旅館として100年の歴史を持つ。6年前には「星のや軽井沢」に泊まり素敵な時間を過ごす。星野さんのこれからの運営が楽しみです。

1125_kyotosalon15

朝はゆっくりと「星のや」を後にする。昨晩乗った屋形船に乗り今度は、朝日を受けながら桂川を下る。流れのせいだろうか、朝の船はスイスイと快適に進む。

一緒に乗り合わせた茂木さんとご挨拶。別れ際に「豊岡にもぜひ」とお声をかけると「コウノトリ観てみたい。豊岡いってみたい」とのご返事。こりゃあ、ぜひ来ていただきましょう。

|

« "Best hanger's for the best clothes"~Pen+に掲載 | Main | 大雪の再スタート〜何の関係もないけれど... »

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「京都サロン」に参加:

« "Best hanger's for the best clothes"~Pen+に掲載 | Main | 大雪の再スタート〜何の関係もないけれど... »