「座禅と茶礼を通して沢庵和尚に出会う」~但馬学6月例会
ここは圓覚山「宗鏡寺」(すきょうじ)(兵庫県豊岡市出石町)。通称「沢庵寺」と呼ばれる。
圓覚山「宗鏡寺」は臨済宗大徳寺派に属し、入佐山の麓にある。明徳3年(1392年)ごろに東福寺の大道一似禅師により開山、山名氏清により創立された。山名氏は代々禅法に帰依し、宗鏡寺は数ヶ寺の塔頭寺院を有していた。織田信長の第二回但馬征伐で羽柴秀吉により山名家が亡び、寺も荒廃したという。
沢庵和尚はこの出石町に生まれ、その多くの時間をこの宗鏡寺で過ごした。
沢庵宗彭(そうほう)。天正元年(1573年)に山名氏の重臣秋庭綱典の次男として出石城下に生まれ、幼少にして宗鏡寺に入り得度。招かれ大徳寺からやってきた春屋宗園の弟子・薫甫宗忠に師事し、その後宗忠が帰京するあたり共に大徳寺に入った。
今回の例会でお世話になる宗鏡寺住職・小原游堂(こはら ゆうどう)和尚。3年前に住職として出石にやってこられた。
小原和尚に導かれて、まずは道場で座禅を組む。何度か座禅を組んだ経験はあるが、毎回貴重な体験となる。ほんの数十分の間だが、静かに座し、心を落ち着かせて、自分を見つめるとなんとも清清しい気持ちになれる。
禅寺の懐石をいただいた後は、禅のこと、沢庵和尚のとこと、などについてお話を伺う。
沢庵和尚は、「たくあん漬け」や徳川家光の指南役、書画・詩文・墨跡など沢山残し、名前は多くの人に知られているが、意外とその人となりや足跡、業績は知られていない。
茶の湯にも親しんだ沢庵。改めてもっともっと知りたいと興味が湧く。地元出身の偉人に学ぶことは、ただそれだけでも多くのことを得る。
やはり最後に「たくあん漬け」をご紹介します。小原和尚が自ら漬けたたくあん。味も歯ごたえも香りも格別であることは言うまでもなし。
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