「但馬は鉱物資源の宝庫」~但馬学4月例会 in 大屋
今月の但馬学は養父市大屋町にやってきた。「あゆ公園」上の丘から眺めた大屋町市街地。山に囲まれた里は本格的な春はもう少し先かな。
今回のテーマは「金属鉱物資源の宝庫~但馬の鉱山」である。但馬学では、これまでも明延鉱山、生野鉱山、金山のあった阿瀬渓谷など、いくつかの鉱山を巡った。その度に、現地現場の体験に感動した。しかし、今回はそこから産出される鉱物について詳しく聞こうと言う趣旨である。
講師は、朝来市和田山町に在住の工藤智己氏(日本鉱物科学会会員)。工藤氏には、過去に2回、但馬学の講師などお世話をいただいたことがある。50年以上にわたり、鉱物に興味を持ち、独自に採取し、各地を鉱物調査されてきた。お話はユーモアたっぷりで情熱的。聴いてどんどん工藤さんの世界、鉱物が面白い!
工藤さんが採取した砂金。場所は朝来市和田山町朝日鉱山。私は実際の砂金を観るのは初めて。「砂」と言うぐらいだから小さいものだとは思っていたが、実際に見ると本当に爪楊枝の先でつつくような感じで驚いた。この小粒を巡って、古代より人々が山に入っていたのか。
兵庫県北部には「但馬三山」と呼ばれる、全国的に知られた鉱山が栄えた。「金」の中瀬鉱山(養父氏関宮町)。「銀」の生野鉱山(朝来市生野町)。「銅」の明延鉱山(養父市大屋町)。金銀銅が揃うのだ!但馬全域には、100数ヶ所の鉱山遺跡があると言う。
工藤氏は、大地の恵を大切にとおっしゃる。自然環境をよく知ることが、これからの私達の生活をより豊かにもすることと力説される。確かに地下資源は、何億年もの地球の歴史から育まれた資源。もっと目を向けて知ることから、これからの私達の生活のあり方も見えてくるだろうと思い、とても納得できた例会であった。
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