お茶のルーツを訪ねて~「西双版納で1000年の茶樹」の巻(雲南省・西双版納)
昆明から飛行機で1時間足らずで「西双版納」空港へ到着。「西双版納」ってなんて読むかご存知でしょうか?「しーさんぱんな」と読みます。「タイ族」(タイ=ニンベンに「泰」という字)
西=十、双=二、版=千、納=田んぼ。
「版納」で町(村)の意味。つまり、「西双版納」とは「12の村」のこと。たくさんの少数民族が住む地域である。
空港に到着すると、昨晩自宅にご招待いただいたRさんのお父さんが空港で迎えてくれる。これから3時間半かけてマイクロバスで一路、Rさんファミリーが経営する茶樹園へ直行する。途中、おやつ(?)にいただいたのは小振りなサトウキビ。こちらでは製糖するものと、食べるものと2種類あるそうだ。食感はお餅。モチーッとしてご飯を食べているよう。西双版納の名物だそうだ。
車窓の風景。田植えが行なわれていた。どこか日本の風景にも似ている。働いているのは女性ばかり。納西(ナシ)族の人は女性がよく働くと説明を聞いたが、この集落はそうなのだろうか?ハニ族、イ族、などの少数民族が住んでいる。
空港のある西双版納の中心部・景洪市から約3時間。いくつかの山の峠を越し山間部へ。手前にバナナ、右側斜面は茶樹、左下には果実レイシー、中央集落の向こうの尾根にはゴムの樹が植林されている。
明の時代に、この地に漢民族が移動して以来、焼畑をしながら茶畑を拡大し、1970年代からはゴムの樹の栽培が盛んになる。
私達はやがてRさんファミリーの茶樹園のある「景満村」に到着。ここには、樹齢1000年以上の茶樹があっちにもこっちにもとゴロゴロ(?)とある。茶樹は成長が遅く、1000年と言っても高さ2~3mの木である。
写真は約1000年の茶樹。その向こうの背中の人がRさんのお父さん。大茶樹園のオーナー自らに案内をしていただきとても良い体験となった。
1000年の茶葉は私が思っていたよりも大きい。硬くてぶ厚い。これが茶葉になるの?と思う。その製造方法や過程は、今回は見学できなかったのが少し残念。
Rさんのお父さんが茶樹園で仕事をする時に滞在する山の家のバルコニー。お父さん自らが点てたプーアル茶をいただく。1000年の茶樹を目の当たりにし、その場所でいただくプーアル茶の味はまた格別である。
山の家のすぐ近くにある寺院。ここにプーアル茶にまつわる伝説が伝わる。中央は祭祀の舞台だろうか。亜熱帯の太陽光が降り注ぐ。しかし、乾燥しているので汗はかかず、むしろ心地よい。
境内に掲げられている伝説。16世紀ごろ、この地域に「布朗族」(ブラン族)が住んでいた。当時、茶を塩や唐辛子と一緒に茹でて飲んでいた。むしろ薬用として飲食されていたのだろう。部族間の争いの中で、ある有能な皇子が布朗族が飲んでいたお茶を相手部族にも提供し、変わりにその皇娘と結婚し争いを収めた。この茶こそプーアル茶である。
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