高田馬場「イントロ」~ジャズ・スピリッツ溢れる
この灰皿を見たとたんにある懐かしさが込み上げてきた。これは、高田馬場にあるジャズ喫茶「intro」(イントロ)のカウンター。もう30年以上前になるが、高田馬場界隈は早稲田の学生がウロウロする街であった。通学途中、偶然この「イントロ」を見つけた。ジャズ好きの私と友人は、迷わずお店に入る。するとその日はたまたま「イントロ」の開店日であった。
その時のマスターの茂串邦明さんの顔は、今でもはっきりと覚えている。何千枚(万枚?)レコードがあったのだろう?ともかく、その数には圧倒された。しかも、茂串マスターはどんなレコードもすいすいと引っ張り出してくる。長イスに座っている私の横を、「ちょっとゴメン」といいながら、天井下のレコード棚からジャズの名盤、幻のレーベルのレコードを引っ張り出す姿が懐かしい。
新宿の「DIG」とこの高田馬場の「イントロ」で、めいっぱいのジャズを聴き、覚え、楽しんだ。
10年?いや20年?前回来たのはいつだろう?マスターはどうしているのだろう?と思いながら、久しぶりに「イントロ」のドアを開けた。昔と変わらない丸いガラス窓がはめ込まれた重いドア。
店内では、ジャムセッションをやっていた。もうどこにもレコードが見当たらない。そうか、今はライブが中心の営業になっているんだ。
でも、この細長い空間とカウンターは、当時と変わらないジャズ・スピリッツに溢れていたのが嬉しい。思わず一人でニヤニヤしながら、ビール中瓶をそのままグビグビトやってしまう。
B1にある「イントロ」に降りる階段口のサイン。「COFFEE & JAZZ INTRO COFFEE & JAZZ」の看板サインが懐かしい。おそらくオープン時と同じだろう。
ただ、周りの看板はすべて変わっているのだろう。
高田馬場駅からすぐ。早稲田通りを明治通りに向かって左側にある。この雑然としたネオンサインの中に、「イントロ」がある。時代と共に変わる行きかう人達、学生、飲食店、ネオンサイン。その中に変わらぬジャズ・スピリッツを持ち続ける「イントロ」がある。
「intro」(イントロ)
東京都新宿区高田馬場2-14-8
NTビルB1
tel : 03-3200-4396
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