江戸東京博物館 「写楽 幻の肉筆画」
開館した1993年以来、2度目の江戸東京博物館に行きました。江戸時代の「江戸」と明治以降の「東京」を様々な作り物や装置を使って再現したダイナミックな博物館、と言うのが第一印象である。JR両国から徒歩3分。大相撲の両国国技館の横にある。
今回の目的は、ギリシャのコルフ・アジア美術館蔵のマノスコレクションの観賞である。とりわけ、世界初公開の東州斎写楽の肉筆画である。看板・ポスターになっているのが、その肉筆画「四代目松本幸四郎の加古川本蔵と松本米三郎の小浪」。
19世紀末から20世紀初頭に、ギリシャ大使のグレゴリオス。マノスが当時のパリやウィーンでアジア美術を購入。その数は1万点以上と言われ、後にギリシャ政府に寄贈された。
今回は、写楽を中心として喜多川歌麿、葛飾北斎などの浮世絵や絵画が120点あまり。これだけの日本文化が海外に存在していることに驚く。また、海外に持ち出されていたからこそ、第2次大戦の戦渦から逃れて、現存することになったとも聞いたことがあり、複雑な気持ちにもなる。
マノスコレクションは当然のことながら撮影は禁止。と言うことで、少しばかり江戸東京博物館を紹介します。こちらは常設展示である。実物大であろう大きな橋は日本橋。その傍らに江戸時代の歌舞伎劇場の中村座が原寸大で再現されている。
江戸時代の指物師。長屋の一角で木材料と道具を壁に立てかけ、その仕事風景がとてもリアル。その他、本物の道具や実寸大の人形を使って、江戸の庶民の生活が実感できてとても興味深い。
こちらは、ミニチュアの模型を使って江戸の人々が行き交う通りが再現してある。その表情がとても決めこまく表現されていて、じっと観ていて厭きない。
まだまだ、火消し道具や江戸の食文化などの日常生活がいっぱい紹介してある。その気になれば、まだ当時の建物や道具などを観たり、その江戸時代との繋がりをもった行事があったり、そう遠くない昔。「江戸時代」を探ってみてみるのも面白そうだ。
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