カワラナデシコ 窓の向こうに万葉の
カワラナデシコ(ナデシコ科)一般にナデシコと呼ぶ。『万葉集』で、山上憶良は秋の「七草」に歌い、大伴家持は種から播いて育てた。日本初の種子栽培された花だ。花は女性と重ねられ、家持は、亡くなった妻が「秋さらば(秋が来たら)見つつ偲へ」と形見に植えたナデシコが咲いた、とのせつない歌も詠んだ(巻三)。形見の花でもあった。 『花おりおり』 湯浅浩史・著
最近ではナデシコと言えば、「ナデシコ・ジャパン」を思い出す。女子サッカーチーム。万葉の時代から女性と重ね合わせて歌われた花。だから「ガンバレ・ニッポン女性」につながる、のかな?
我が家のカワラナデシコは白。赤いナデシコも良いが、清楚で清々しい純白のナデシコもまた良い。大伴家持が、亡き妻が植えたナデシコが咲くと妻を思い出し偲んだ、なんてエピソードを知るとまた庭の花を愛でる楽しさが増す。
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