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February 25, 2009

「長谷木記念幹」 木と共に440年

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木で長谷木の美学をいける。
一本の木との縁に導かれてこの構想は始まった。
樹齢600年を超える大樹"マウントレーニア産ダグラスファー"。
倒木となってなおそこに宿る命を"心"と見立て、「長谷木ベイサイド」という水盤に生けこんでいこうという情念。
"心の木"を納める鞘堂を中心に、生花でいうところの"真・副・控"に即して、各建築物を配していくという行為そのものが、蒼風花伝書にある「目で見えぬものを、いけよ。目で見えぬものが、心の中にたくさんある」ことの具現化であり、吾の内にある思念を、縁ある『幹』を通して現出化させることが、"木で長谷木の美学をいける"ということである。
『長谷木記念幹』 
(長谷木ベイサイド・コンセプトより抜粋)

東京湾岸・新木場のウォーターフロントにある「長谷木記念幹」を訪ねた。この「記念幹」(きねんかん)は、「館」ではなく「「幹」と書く。このことから理解できるように、創業440余年の材木商である(株)長谷木さんの歴史と木に対する敬慕と感謝の意を具現化したものである。一般には、公開されていない。

(株)長谷木の長谷川社長様が、ご友人からのプレゼントがきっかけでNAKATA HANGERのハンガーをご覧になったのがご縁で、この「記念幹」にお招きをいただいた。設計は、内井昭蔵建築設計事務所(「世田谷美術館、吹上新御所、大分市美術館、などの設計)。

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「長谷木記念幹」の根幹をなすのが、この「心の木」。アメリカ北西部のワシントン州産、胴回り12m、枝下13mのダグラスファーの大木。現代に生き残る江戸時代からの技術を受け継ぐ木挽き職人によって、8角形に切り揃えられた巨大な柱。床を突き抜けて、砂地に立つ。

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ここには世界中から集められた材木がある。それは、製材した板として、あるいはこの画像のように、その材木の特徴を最大限に生かしながら、テーブル、椅子、書棚、床、階段のステップ、ドアなどに加工された状態で見て、触れて、感じることができる。

ここには、まさに「木の心」があるのを実感する。木の加工(木製ハンガー生産)を生業としている私にとって、改めて木と真摯に向き合わなければ、と再認識する素晴らしい経験をいただいた。

「記念幹」を取り囲むように、いくつかの資料棟がある。そこには木工機械が設置され、志ある学生に木工の技術と知識を学べる環境が提供されている。また別棟には、土のオブジェが置かれていた。なんと、それは日本を代表する左官職人・久住章さんの作品。我が家も久住章さんに土壁を塗っていただいたことなどをお話しする。木と土、自然素材の素晴らしさ、そしてそれを加工する職人技などなど、長谷川社長さんとの話は弾んだ。

「木の心」と言うご縁で、また素晴らしい出会いをいただきました。

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