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November 15, 2008

屋久島『送陽邸』夕陽を見送る贅沢な時間

081107_souyoutei1 やはり、書いてしまおう。書こうか書くまいか迷う、それほどに人に教えたくないほどいい宿がある。それは屋久島・永田地区にある『送陽邸』(そうようてい)。 永田は屋久島の北西に位置し、宮之浦から西へ車で30分。永田集落の手前にこの『送陽邸』はある。道路沿いにはこれ以外の建物はまったく視界に入って来ない。 081107_souyoutei2 明治から昭和初期の古民家を移築した宿。いくつかの棟が傾斜地に並ぶ。屋根は、台風に備えて碁盤の目のように掛けた桟に石が並べてある。これがまた素朴で美しい。 081107_souyoutei3 露天風呂が二つある。さっそくその一つに入ってみる。目の前に「永田いなか浜」の砂浜が見える。ここは、日本一のアカウミガメの産卵地として有名。5月〜8月にかけてが産卵時期。温泉に浸かりながら、しばらく浜を眺める。砂浜に寄せる波の音だけが聴こえてくる。 081107_souyoutei4 ボーッとしている間に、空がうっすらと赤く染まって来たのに気づく。目を少し西(左)へやると、口永良部島(くちのえらぶじま)の向こうに沈む夕陽で赤く染まった雲が筋状にたれ込める。雨の予報であったので、思ってもみなかった夕暮れに立ち会い、感動が倍増だ。 081107_souyoutei5 砂浜と口永良部島を一望できる「涼み台」で夕食をいただく。地元で獲れた魚と野菜の煮付けなど、家庭料理が並ぶ。見た目の豪華さではなく、正味である。 夕食が終わりに近づいた頃、焼酎を持ってこの宿のご主人がみえる。私たちは、『送陽邸』の由縁や屋久島の歴史など、興味深いお話を聞いた。 かつては日本一のカツオ漁で栄える。薩摩藩の領地となったときも、永田は永田の民有地として所有した。「岳参り」では、永田浜の砂を持って山の神に届け、無病息災、家内安全を祈ること。永田の歴史をお聞きした。 ご主人の素晴らしいのは、この『送陽邸』を自力で立ち上げられたこと。建築家の設計に委ねるのではなく、この永田の気候風土を知り尽くし、その風景までも、すべてご自分の気に入った場所に建てられた。 「杉、人間まで売って(島から出て行って)いた。屋久島からモノを売る時代は終わった」と言うご主人の言葉がとても印象に残る。「何も足さない、何も引かない」と言うCMコピーがあるが、まさに、あるがままの永田の空気と場を、あるがままに感じさせてくれる『送陽邸』がここにはある。最高の贅沢だ。 081107_souyoutei6 朝起きて、もうひとつの露天風呂に入る。昨晩のよりさらに波打ち際にある。 081107_souyoutei7 海を眺めがら朝食をいただく。海の向こうには口永良部島。 ただ、ただ、海を眺めるのが『送陽邸』の過ごした方なのだ。 屋久島民家の里『送陽邸』 鹿児島県熊毛郡上屋久町永田いなか浜 TEL 0997−45−2819

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