Service Industry Leaders Conference 2007
秋晴れのリゾナーレ(山梨県小淵沢)に戻ってきた。7月以来、今年2度目である。今回は、SILC(Service Industry Leaders Conference)への参加である。グロービスの堀さん(グロービス経営大学院学長)達が呼びかけて実現したカンファレンスである。
SILCは、消費者向けサービス業界において革新的なサービスを提供している起業家や経営者が集い、学び合い、交流を深める場。基調講演、そしてパネルディスカッションが続く。
基調講演は「再生の修羅場から見えてくる日本の課題」と題して、元・産業再生機構のT氏。その経験を通じて、日本企業の問題点として、現場人材はまだ強固な部分があるが、マネジメント人材が非常に脆弱だと指摘。
最近の食品業界などの不祥事などを例にとりながら、「むしろ、善であって弱い人」がコンプライアンスを破る。」「人間の弱さに対する洞察」の重要さを強調された。私もしっかりと受け止めたいと思う。
次はパネルディスカッション。テーマは「これからのコンプライアンス経営」。やはりこれから始めなければならないだろう。パネラーは、英会話スクール業界のG社、中古書店の展開をしているB社、リゾート開発のH社のそれぞれの経営者が登壇。
コンプライアンスと会社の利益との関係をそれぞれの立場、経験から熱っぽく議論。moderatorのH氏は、元GEの幹部。ジャック・ウェルチのコンプライアンスに対する発言、現CEOのジャフ・イメルダの考えを紹介。
組織全体のコンプライアンスの確立には、利益最優先の目標設定ではなく、会社の理念、長期目標などの徹底が重要との議論は、重要である。
次のセッションのテーマは「IPOの先に何が見えるのか」。
IPO。つまり株式公開、上場である。私のビジネスでは全く関係ないテーマだと思っていた。それは主に会社の売上規模、業界の成長性などの理由からだが、ことはそう単純なものでもなさそうだ。
IPOの目的には、「資金集め」と合わせて「知名度、信用力の向上」がある。それぞれの業界特性、経営者の目標により確かに有効な手段であることがわかる。しかし、上場後の経営目標達成の厳しさ、IRの重要さは、相当なプレッシャーであることも学ぶ。
二日目は分科会。「強い組織文化をつくる」のセッションに参加。ここではなんと言っても、その朝礼で有名な (有)てっぺんの大嶋社長。「夢」「ありがとう」をいっぱい贈ろうと居酒屋チェーンを経営。従業員をどんどん独立させて夢の実現にまい進中である。
運送業のT社長は、社員3万人をどう束ねるか、リサイクル事業のA社長は、どのように人材を集め、育成するのか、それぞれ悩みは異なる。
共通しているのはT社長の「百万遍語って、はじめて伝わる」。ともかく、何度も何度も経営理念、ビジョンを語ることの重要さは共通である。
「地域を活かすビジネス」のセッションに参加。どんなビジネスでも、やはり良くも悪くも「東京一極集中」が前提にあるのが現実である。消費地としての東京、情報発信としての東京、また諸々のコストが高いのも東京。
東京の現実を、いかに地方に活かすのか、という発想法が大切であることを学ぶ。
最後は、「強いブランドをつくる」。
「そもそもブランドとは何か?」「ブランドは社員の意識からつくられる」「左脳と右脳のブランド確立アプローチ」「強いブランドは人の意識、行動を変える」「経験が大切→疑似体験→可視化→共感→信頼」などの議論が交わされた。
現在の私にとって最も重要なテーマの一つが「ブランディング」であったので、多いに参考になった。
その他、たくさんの経営者の方と交流ができた。私のビジネスも語らなければならないので、ハンガーの話を紹介させていただく。みなさん、最初の反応は「ハンガー?」です。(^_^)が、いろいろとお話させていただくとそれぞれ「こんなのないの?」「あの金属部分がいや」「ホテルのハンガーはもっとこうして欲しい」など、みなさん誰もが、ふだんハンガーについて思っていらっしゃる不満や期待が述べられたのには、逆に驚く。
やはり、「ハンガーは面白い!」との結論を持ったのが、私のSILCの最大の成果でした。(^_^)
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