Jack De Johnette "SPECIAL EDITION"
ジャック・デジョネットと言えば、近年ではキース・ジャレットで一世風靡した「スタンダード・トリオ」でのドラムを思い出す人が一番多いのではないでしょうか。スタンダード曲を弾くキースのピアノと、ゲーリー・ピーコックのベースと、このデジョネットのドラムのコラボレーションはファンタスティックで、私も大好きです。Jack De Johnette "SPECIAL EDITION
Jack DeJonette : ds,p,melodica
David Murray : ts,bcl
Arthur Blythe : as
Peter Warren : b1.One For Eric
2.Zoot Suite
3.Central Park North
4.India
5.Journey To The Twin PlanetRecorded Mar. 1979
ただ、それだけ知ってデジョネットを語るなかれ。デジョネットは、ただのドラマーではなく、ピアノも弾くし、マルチに楽器をこなし、作曲、編曲、さらには、バンドを編成しリーダーとなる、まさにトータル・ミュージシャンなのだ。その才能はただ者ではない。
スペシャル・エディションは、デジョネットによって編成された1970年代後半のジャズ最強コンボの一つだと思う。決してヤワな演奏ではない。かつて’60年代のジャズが持っていた、緊張感、挑発、高揚感、を感じる硬派な演奏である。
1曲目の"One for Eric"は、タイトルと曲想からして、バス・クラリネット、サックス、フルート奏者の亡きエリック・ドルフィーに捧げたものだろう。デイヴィット・マレイのバスクラがドルフィーの演奏を彷彿とさせる。
実際には、なかなかこのレコードには針を落とす回数は少なかったが、改めてじっくり聴いてみて”心を揺さぶられる”ものを感じた。3曲目"Central Park West"、"India"は、どちらもジョン・コルトレーンの作品も素晴らしい演奏。ドルフィーにコルトレーンをも結びつけ、消化し、あらたな魅力を紡ぎ出して行くデジョネットは、やはりただ者ではない。素晴らしい!
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