「法隆寺宝物館」 展示品も建物も素晴らしい
東京国立博物館には、興味のある展覧会がある度に何度も訪ねたことがあるが、実は、この「法隆寺宝物館」を訪ねるのは初めてだ。国立博物館の正門から入って、左手に向かっていくと「黒門」がある。そこからちょっと先に歩くと、周囲の木々の中にガラス張りのモダンな建物が姿を現す。これが「法隆寺宝物館」である。
私は一目見て、その佇まいに惹かれてしまった。
1999年に開館。建築設計は谷口吉生氏。谷口吉生氏は、その後ニューヨークの近代美術館(MOMA)も設計している。私の好きな建築家です。
この「法隆寺宝物館」も「MOMA」も、コンクリートとガラスの空間が微妙な空気を創りだしている。クールでシャープな素材なんだけど、谷口吉生氏の空間には、どこかにそれを中和する安らぎを感じる。緊張感と安らぎ感覚のバランスが、私にはとても心地よい。
建物の話ばかりになってしまったが、展示品もまた素晴らしい。
明治11年(1878年)に、法隆寺より皇室へ献上された宝物が展示されている。(戦後国有となり、一部は皇室にとどめたり、法隆寺に返還されたりした)
特に感動したのは、第2室のずらりと並んだ「金銅仏 光背 押出仏」だ。金メッキした銅製の仏像。大部分が7世紀のもの。
展示方法も斬新で、「7世紀の仏像」達を、目の前でしっかりと鑑賞できる。
ぜひ、一度訪ねてみてください。
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