『ロールキャベツとジャズ』 青春ど真ん中!
ここは東京・新宿3丁目。アルタの裏側の道と靖国通りの間の路地にレストラン「アカシア」がある。名物「ロールキャベツ」の話は後にしよう。実は、このアカシアの上の階に、あの有名なジャズ喫茶「DIG」があった。1960年代、70年代のジャズ・ファンなら誰でも知っている。「しゃべり厳禁」。コーヒー1杯で、何時間も粘って、ジャズを聴いたのが懐かしい。ジャズはジャズでもコルトレーンやセシル・テイラーなどのフリー・ジャズが似合ていた。確か、階段にサックスのアンソニー・ブラクストンの写真が貼ってあったと思う。狭い階段、張り紙、コーヒー、読書。私の青春が詰まっている。
さて、もう一つの本題「ロールキャベツ」に話を戻そう。お店のカードには、
たっぷり こねて
ぐるっと まいて
じっくり にこんで
しっかり たべる
とある。まさにその通り。初めて食べた時は、ロールキャベツの既成概念が壊れるぐらい衝撃的だった。でも食べ慣れてくると、これがまた堪らない。ヤミツキの味がする。アカシアのオリジナル・ロールキャベツなんだろう。30年近く経った今も、全く同じ味なのが嬉しい。アカシアのロールキャベツは「激しいジャズの演奏と自由」の味がする。
常連は、ただひと言「キャベツ」と言って注文する。これが通なのだ。ご飯とセットで出てくる。これをスプーンとお箸を使い分けて食べる。スプーンでキャベツもスープもご飯も食べてしまう者。キャベツとスープをスプーンで、ご飯をお箸で食べる者。私は、スプーンではスープのみで、お箸でキャベツとご飯を食べる。どう食べるかは、ここでは大切なのだ。(笑)
ロールキャベツ(ご飯付き)とセットで、もう一品選べるメニューがある。キャベツのみで行くか、セットに行くかどうか、毎回悩ましい。私は「ペパロニ」(注1)とのセットが好きだったが、今はないそうだ。太いソーセージを焼き、スパゲティと目玉焼きとキャベツが添えてある。なんとも古典的な組み合わせと言える。今は、写真の釜揚げソーセージがそれに近い。ぜひ、試してほしい。
(注1)「ペパロニ」という呼び名はどこから来ているのだろう。ペッパー(スパイシーなソーセージとマカロニ(実際はスパゲッティ)が合わさっているからだろうか?フィーリングでそう思っていたけど、よーく考えると、どうも違うような??
この写真は、まさに私の「青春の精神と胃袋を満たしてくれた階段と扉」である。(^_^) いや逆かも知れない。本当は飢えた精神と胃袋がさらに刺激されたのだろう。
The comments to this entry are closed.
Comments