「作り手としての尊厳」 モノ作り・デザインフォーラム関西 '06
大阪で行なわれた「モノ作り・デザインフォーラム関西'06」(主催:ものづくりクラスター協議会=経済産業省近畿経済産業局)に参加した。基調講演はテレビや雑誌でご存知の藤沢久美氏(シンクタンク・ソフィアバンク・副代表)。テーマは『「モノ」を売る時代から「スタイル」を売る時代へ』。結論から言うととても参考になった。「現場を見れば未来が分かる」、「アメリカ型の経営に疑問。アメリカの先端の経営者は東洋思想に興味」など、藤沢氏の最新の情報や、「スタイル」を売るとは、どう言うことなのか、分かりやすい事例がとても良かった。よろずや→コンビに、市場(いちば)→スーパーマーケット、御用聞き→ネットビジネス。ビジネスのヒントが満載だ。
閉会後、藤沢氏と名刺交換をさせていただく。こちらからハンガーの話をさせていただいた。ハンガーにはとても興味を持っていらっしゃったのがとても嬉しかった。このブログでも紹介した「ハンガーの洋書」もご存知でビックリ。
続いて事例発表。テーマは「こうしてできた!デザイン主導の新連携」。発表者は野々村道信氏(株式会社アウラ社長)。もともと染型職人であり、デザインに興味持ち、後に新素材の企画・開発と言ういわばモノ作りの黒子として実績を残す。世界のトップ・デザイナーや建築家とコラボレートして「アウラ・コレクション」を立ち上げる。
実は野々村氏とは、先月のニューヨーク視察をご一緒した。それで分かったのは、氏はあまりにも大きい存在。ニューヨークのMoMAにも作品があり、ソーホーの有名なインテリア・ショップにさりげなく、アウラ・コレクションが並んでいる。その本人に「これだよ」と何でもなさそうに教えられ、なおビックリ。野々村氏からハンガーでコラボレーションしよう、と声を掛けられている。今月中には会っていろいろとお話をする約束をしている。とても楽しみだ。今日のブログ・タイトルも野々村語録の一つである。
最後のプログラムは、パネルディスカッション「デザイン活用&新連携のHow To」。モノ作りの職人である中小企業の経営者、デザイナー、新連携支援プロジェクトマネージャー、そして野々村氏の4名。「デザインとは何か?」「中小企業がどのようにデザイナーと接すれば良いのか」などが議論される。普遍的な議論だったので少し抽象的な発言が多かったのが残念であった。議論の中で「デザインは思いやりなんですね」と感じ取った藤沢氏の言葉が印象に残った。
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