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July 22, 2005

魚は天候を知る(但馬学)

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但馬学の例会で根兵秀太郎さんのお話をお聞きしました。根兵さんは、豊岡市竹野町田久日(たぐい)の生まれで87歳。まだまだお元気です。田久日は、山陰海岸の絶壁に囲まれた地形にある小さい集落です。平家の落人が住みついたと地元では言われている。根兵さんは、ごの漁村で生まれ、しばらく大阪で商売を学び、その後、故郷で漁師となる。潮の流れ、海の天候から魚道を把握し、独自の漁を行なっていらっしゃる。

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小さい頃は、海に潜ると魚をヤスで突いて捕った「突きの名人」。また、根兵さんは「スズキの目は上を向いているのを知ってますか?」と仰る。「スズキを狙う時は、下を向いた瞬間に突くんです」。私の目は、目からウロコです。

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海面を飛ぶようにすべるウキ、タコを模した針。道具はすべて自分でつくる

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ウキも当然ながら自作。なんどもなんども試作を重ねる。ボートでウキを引っ張った時に、海面上でどのような動きをとるのか納得のいくまで形状を研究するそうだ。

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漁の達人曰く、「潮の流れを読むこと」「天候を知ること」「日記をつけること」が大切なのだそうだ。最初の二つは理解できるとして、なぜ、日記なのだろう?暑い時は薄味の餌、寒い時は脂っこい餌を使うそうだ。潮の流れ、天候だけではなく、道具、餌の組み合わせなど、その日の釣果とともに、記録に残されているそうだ。

上の写真は「寒ぐり」と言う。旧暦の「寒の内」の日々の天候を調べると、その年の天気予報が全てわかるそうだ。毎日毎日、海を眺め、海で漁をし、海と共に生きてきた根兵さんならではの説得力がある。

 《2004年7月10日、但馬学総会での講和をまとめたものです。》
(記録提出に合わせてアップしました)

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