古い民家を楽しむ
但馬地方には、「古い民家」がいくつか残っている。かつてのその地域の地主、庄屋、有力者であった人達が住んでいた。そして、第2次大戦後の日本社会構造の変化の中で、消え去ろうとしている。致し方ないことなのかもしれないが、とても残念なことでもある。
数年前、私の友人Bさんは、100年近く経った「古い民家」を購入した。Bさんの努力(これは彼の楽しみなのですが)により、古い民家に新たな命が与えられた。春のこの時期に「園遊会」(と、彼は呼ぶ)を開いて招待してくれる。Bさんは世界のトップレーサーからオファーが掛かるオートバイ・パーツ製作の第一人者。彼が始めてアメリカに渡った29年前の飛行機の中。当時、英語もろくに話せなかったBさんの隣に座り合わせたアメリカ人のS氏と初めてお会いする。「あの時の、若者が今こうして」と感慨深そうであった。
話が弾み、日も暮れる。今年新たに、整備されたのが「お風呂」。そのつもりではなかったが、気持ちの良い気候と美しい庭に誘われて、一浴びさせてもらう。お湯に浸かりながらS氏の言葉を復唱する。「古いものこそ、大切にしなければならない」
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