ジンチョウゲ ひっそりとした小道に咲く
ジンチョウゲ(ジンチョウゲ科)
芳香は春の花で一番。沈香と丁字の香りを併せ持つと「沈丁花」。中国名は瑞香。文献上の初出は唐代。姚氏の『西渓叢話』に、長兄姚伯聲の栽培花を客にたとえて、瑞香に閨客をあてる。閨は女性の寝室。その女性客の香りとは悩ましい。日本への渡来は室町時代。15世紀の『尺素往来』に初見。
『花おりおり』 湯浅浩史・著
自宅玄関横に小道がある。小さい時から父に「これが昔の山陰道だったんだ」と何百回も聞かされた小道である。「本当?」と思うのですが、確かに、この小道沿いにはお寺やお地蔵さん、酒造りをやっていた旧家があり、そして小道は神社へと通じる。この時期、玄関を出てすぐ左の小道沿いにある沈丁花の甘い香りが春を感じさせてくれる。
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